会計上の収支と現金収支とのどう違うのですか?
はい、たとえば、借入をしてアパートを建てたとします。
通常の買い物と違い、短期間に使い切ってしまうものでは、ありません。
たとえば、灯油などを購入すれば、短期間に使い切ってしまい、その
費用を買った時点で一度の計上ができす。
一方、建物の場合、長期間にわたり使うものです。
会計上は建てた年度だけに一挙に計上するのではなく、使用する期間全体
に配分して計上することが妥当です。各年度の期間損益を正確に表すこと
ができるからです。
建物のように長期間にわたって使用する財産は、当初に支出した取得価格
を、税法で定めた一定期間(耐用年数)に配分し、費用計上を長期にわた
って行います。(このような資産を償却資産といい、各年度に計上する費用
を減価償却費といいます。)
上記のような理由で、減価償却費は会計上の費用にはなりますが、他の項目
と違い、実際の現金支出はありません。だから、キャッシュフローでは、
減価償却費に相当する金額は、外部に出ないで内部に残ることになります。
(内部留保といいます。)
減価償却費とは真逆で、借入金の返済や所得税は費用とはなりませんが、
実際には現金がでていきます。
もっと簡単に書きますと
・実際に現金が出ていき、それが費用になるもの・・・通常の費用
・実際に現金が出ないのに、費用になるもの・・・減価償却費
・実際に現金が出るのに、費用にならないもの・・・所得税、借入金の返済
〇会計上の損益計算・・・収入-費用(減価償却費+通常の費用)=利益
〇実際の現金収支・・・・収入-支出(借入金返済・税金・+通常の費用)=現金残高
このように、費用計上と現金支出が一致しないため、結果として損益計算上の数字と
実際の現金収支が違うことになります。
*帳簿上はお金があっても実査に資金ショートの状態になっていることが
充分にありえます。