先日、商用で那須塩原市を訪れました。
仕事を終え、帰路につく途中で温泉街を通りかかったのですが、そこで目にした光景に驚きを隠せませんでした。かつて賑わっていたはずの温泉街には、廃墟となった旅館やホテルが連ていたのです 。
話には聞いていましたが、実際に現地で目の当たりにすると、言葉にならない感情が湧いてきました。壁が崩れかけた建物、割れた窓ガラス、草木が生い茂るエントランス…。かつては観光客で賑わい、人々が笑顔で行き交っていたであろう場所が、今や静まり返り、過去の栄華を物語るだけの姿になっていました。
なぜ、これほどまでに衰退してしまったのか?
日本経済の衰退の影響なのか、それとも人口減少の影響なのか。時代の流れによるものなのかもしれません。バブル経済の時代、日本全国で観光業が栄え、多くのホテルや旅館が建設されました。しかし、バブル崩壊後、観光客の減少や経営難に直面し、多くの施設が閉鎖に追い込まれました。その爪痕が、今もこうして残っているのです。
私自身、不動産業者としての視点からも、この廃墟跡をどのように再生できるかと考えずにはいられませんでした。これらの建物を取り壊し、新たな施設を作るべきなのか、それともリノベーションして活用する方法があるのか。現代のニーズに合わせた形で、再び地域の活性化に貢献できる可能性はないか。
とはいえ、現実問題として、再生には莫大なコストがかかり、需要がどれほど見込めるのかという課題もあります。行政の支援や新たなビジネスモデルの導入がなければ、単なる夢物語で終わってしまうかもしれません。
それでも、かつての賑わいを知る人々にとって、このまま放置されるのは寂しいことです。廃墟となったホテル群を眺めながら、日本の観光業の未来について深く考えさせられた一日でした。
by エステート丙(ひのえ)since 2014
