ウルトラ警備隊になりたかった少年の話
ランドセルを背負ったひとりの少年、
愕然と気落ちした様子で 東武線の陸橋の上に呆然と立っていた。
真下に線路が見え、南宇都宮駅方面より江曽島駅に停車しようとする黒い列車の屋根が通過していた。
半世紀近くも前の出来事です。
その少年は、毎日、幼いながらも、鉄棒、腕立て伏せ、腹筋、バク転、ブランコから飛び降り、
毎日、訓練、訓練と自主訓練の日々を送っていた。ブランコからの飛び降りジャンプで腕を骨折したこともあった。
少年には夢があった。
それは将来は ウルトラ警備隊に入隊したい ということだった。
少年は集英社の専門誌で研究を重ね、毎日、訓練や変身の練習までしていた。
それは、小学校も高学年になろうとしていた時だった。
ある日の放課後、学校の先生や友人がしていた会話から、
実は、ウルトラ警備隊という組織は、世界中でどこにもないということがわかってしまった。
同じく、地球防衛軍という組織もない。
少年は、目の前が真っ暗になり、学校を飛び出してしまった。
気がついたら、なぜか、陸橋の真上から通過する東武電車の屋根をボ~と眺めていた。
成長しつつ、何となくではあるが、感じていた、「もしかして・・・」が 判明してしまった瞬間 でした。
長くなりましたが、実は、その少年は私(チョット知恵遅れか?)でした。
最近のコロナの影響もあり、普段は空家にしている隠家を何年ぶりかで掃除や片付けをしていました。
そしたら、数年前に缶コーヒーのオマケで付いていた景品が出てきて、少年の頃を思い出していました。
気が付くと、私は、当然のようにケース単位で大人買いしてしまいました。(反省)
なぜか、暇な不動産屋のおやじ(私)は事務所まで持ってきてしまい、並べたり、いじってみたりしながら、
そろそろ廃棄して仕事に打ち込まなくてまずい年頃の男の子ではないのか?、とか・・・
あっという間に数時間が過ぎてしまいました。
気が付くと、窓から蓑虫(ミノムシ)がわざわざ蓑から出てきて、腹をのけ反るように笑っているように見えました。
外から、事務所を不思議そうに覗いていた近所の子どもが、
こども:「おじさん、何やっているの?それ何?」
私:「ん!?・・・なんだ?学校休みか?あ! G.Wか。
いや、おじさん家の前に誰か、捨てて置いていったみたいだ。
おじさん、大人だから、これ置いていかれてもな~、困ったもんだ。欲しいか?」
こども:「うん」
そうは言いながら、ウルトラホーク1号やポインターを無意識に子どもに気づかれないようにポケットに隠していた私がいた。
そして、ウルトラホーク3号はどの箱に仕舞ったんだっけと頭の中で考えていた・・・
これが、G.W中の私の1コマでした。
皆さんは、外出制限のある中、G.Wはどうお過ごしですか?
え!?、そんなばかなことやってる暇はない?
いや、勘違いしないで下さい。私もそう思う中の1人です。
(*念のため、この日は休みの日です。通常は社会人として一生懸命に働いています。)
by エステート丙(ひのえ) since 2014
