東日本大震災時・真っ只中で経験した不動産取引

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2020年04月07日

東日本大震災時・真っ只中で経験した不動産取引

午後の2時半ぐらいでしたか?

物件調査で午前中に市役所で調べた事項が何かおかしいと思い、もう1度、再確認に水道局に裏をとりに向かう途中でした。

いつも、役所調査の時に車で同じ道を通ります。あれ、何かおかしい、
いつもと違う。なんか変だ、確認してみると・・・・

場所は、国道4号線の横川西小学校の辺り、中環状線と交じわる地点です。 

 
走っている自動車がぜんぜん通過しない。時間的には5~6分ぐらいでした。

カラダに染み付いた、いつものルートです。わざわざ異変と感じるくらい妙でした。 

今日、非常事態宣言(コロナウィルス対策)が出されるとニュースで聞いていた。あの影響か?

夕方に近所のR-ソンやセブンにも駐車場にお客さんの車がほとんど止まってない。
有名な牛丼屋さんもお客が入ってなく、働いているスタッフさんも2人だけ?
しかも、夕飯の時間帯に。 
 


その瞬間、私の頭にピピッと過ぎった記憶。
10年前の東日本大震災の時。 
あの時と似たような感じ方。
ただ、今回の場合には予告があった分、まだ、それほどでもない。 

弊社で不動産取引中、契約を終了し、お引渡しのお手伝いをしている案件が今3件あります。

東日本大震災時(当時は会社員でした。)、あの時は、確か、私は会社にいて、
目の前で平坦なテーブルの上のポットが1回転してひっくり返ったあのグラッとした縦揺れ、 
と同時に足元がグラついて前のめり寸前状態。
外に出るとコンデンサー付き電柱が今にも道路に倒れそうに大きな幅で揺れていた。 

「これは、何か大きな変化があったな!」

出来事の境い目。

当時、震災の3日前に中古住宅の取引のお世話をしていました。
皆さんも、まだ、記憶に新しい方々が大半だと思われますが、 
あの震災で、鬼怒川から東方面は宇都宮の中心街よりも被害が大きかったです。 
屋根瓦が落ちたり、建物の傾き、基礎や壁にクラックが発生したりしてました。
(芳賀町方面に行くと、青いシートが屋根に、10年後の今でも、まだ掛かったままの家屋を 見かけます。)

当然に、売買対象の土地・建物は契約時の状態ではありません。
その場合に、そのままの状態で、金銭の授受や引渡しをするの? 
この場合に、売主さんはどうするのか?買主さんはどうするのか? 

通常、不動産の売買契約は、不動産業者でします。
一般的に、不動産業者は宅地建物取引業協会に所属している場合が大半です。
そこで、作成された契約書を使用する場合が多いです。(弊社もそうです。)

その場合の契約書の約定の1部分を抜粋します。 
 ・本物件の引き渡し前に、天災地変その他売主又は買主のいずれにの責にも帰す
 ことのできない事由によって本物件が滅失したときは、買主は、この契約を解除
 することができる。
 ・本物件の引き渡し前に、前項の事由によって本物件が毀損したときは、売主は、
 本物件を修復して買主に引渡すものとする。この場合、売主の誠実な修復行為によ
 って引渡しが、標記の期日(引渡しの期日)を超えても、買主は、売主に対し、そ
 の引渡し延期について異議を述べることはできない。
 ・売主は、前項の修復が著しく困難なとき、又は過大な費用を要するときは、この
 契約を解除することができるものとし、買主は、本物件の毀損により契約の目的が
 達せられないときは、この契約を解除することができる。
 ・第1項又は前項によってこの契約が解除された場合、売主は、受領済みの金員を
 無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。

 上記なような約定になります。

不幸中の幸いで、当時の私のケースでは、モルタルの壁にクラックが入いったのですが、軽い軽傷で、
建物の構造的には影響はなく、注入材の充鎮処理程度で、その分を売主さんが費用負担で解決でした。
(当事者、関係者は、診断結果が出るまでは、ハラハラものです。) 

今回(非常事態宣言)の場合に、物件が滅失したり、毀損したりは、たぶんないでしょう。 
また、住宅地や住居としてご契約中のお客様にとっては、物件の状態(目に見える範囲)では心配ないかと
思われます。

心配しているのは、先の不透明な経済状況の方でしょうか? 
現状で日本の場合、他国のようにまだ、ロックダウンに至る状況まではなっていないようです。
夜になって、総理大臣が世界最大級の経済支援を実施すると発表していました。
とにかく、現況では、その船に乗せてもらうしかないです。 

前回の震災の時も、過ぎてしまえばの話になりますが、
私の知合いの業者さんも、土地の仕入れで震災前の契約そして、決済の5日前に震災が起きました。
商売で、 事業として販売する予定の計画です。規模と金額が違います。
当時は連日のように、テレビのニュースで原発のニュースが放射能やら爆発の状態がと 
流れてます。このまま、借金をして、土地を仕入れても、先行き、買手などあるのか? 
手付金(大金)を放棄して、あきらめるか?何か月も事業計画を立て、何回も打合せやら、交渉の上、ようやく購入できることになった一等地です。
 
その業者(社長)さん、最終的に購入を決断して、計画を実行しました。(1年後には完売) 
ただ、その決断に迫られた日々は夜も眠れなかったそうです。 

とにかく、一時的な災難であることを祈り、過ぎ去るまでニンニンの忍耐、頑張りましょう! 
長くなりました。ここまで、ありがとうございました。 
 


え!?、国が大丈夫かって? 
(今回、支援対策に大量の赤字国債を発行するようです。) 
大丈夫ですよ。
日本はGDP世界第3位の大国だから?、貿易黒字?、外貨準備高?などの話ではなく、
日本にはもともと金があるんです。海外から狙われるくらい、2000年以上続いているから。
ロシアのプチャーチンが来て、最終的にアメリカの黒船(ペリー)に開国されて、幕末に一部持っていかれた。
戦後復興で一部使われた。 
西欧の宮殿を装飾している金、ニューヨークの摩天楼を飾っている金、
あれ、どこから持ってきたの? 日本ですよ。
ここ(不思議な国)で暮らしている限り、守られると信じています。 
 
  


                 byエステート丙(ひのえ)since 2014 
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