「土地を売ってほしい」とのことでした。
場所をお伺いすると土地を探されているお客様なら欲しくなるような立地にあります。
現場を見てから、所有者さんのお宅にお伺いし、お話を拝聴させていただくお約束をしました。
現場は旧市街の中にあり、道路付けもいいです。
古家は建っていましたが解体し、更地にすればすぐに買手も付きそうです。
![](https://estate.sesh.jp/shop/3154/0/img/img_32_20200315.jpg)
ただ、1つ疑問に思ったのですが、なんでこんな良い物件を弊社のような無名の業者に
突然にもお問合せをいただいたのか?(面識もなかったのに)
所有者の方のお話を拝聴させていただき、なるほどと疑問が解消されました。
内容的には、簡単にですが、以下です。
![](https://estate.sesh.jp/shop/3154/0/img/images.jpg)
(写真はイメージです。この問題とは関係ありません。)
・相続で親から土地(上物に有り)を相続した。
・土地の名義は所有権移転を済ませた。
・建物は別の他人の名義になっている。(10年以上も空家になっている)
・誰も住んでないし、土地は自分名義、地代ももらっていない、建物の所有者は
どこにいるのかわかならい。(建物の登記は残っている)
・建物はすぐに解体するので早く売り、現金化したい。
私の方で、深くお話をヒアリングさせていただきました。
おそらく、何社かの仲介業者さんに先の内容で依頼をし、返事がないまま、
何か月か経過してのあとだと推測できました。
まず、「建物は勝手には解体してはいけないです。解体しないで下さい。」 と伝え、
簡易調査のあと、再度、打ち合わせをお約束して帰りました。
昨年の暮れに続き、今年に入ってから、買取業社さんの相談をいれて、合計3件くらいあった
相談事例です。
オイルショック(昭和48年前後)までは、建築資材の価格が安かったこともあり、貸家を立てて貸す
1戸建ての借家が主流でした。それ以降は、効率を考えてアパート(共同住宅)の賃貸に切り替わっています。
それ以前は土地の賃貸しが多い時代でした。土地を貸して地代をいただく時代です。(賃貸し)
その土地に借主が家を建て、後日、自分名義で建物の表示・保存登記をした。
![](https://estate.sesh.jp/shop/3154/0/img/img_29_20200315.jpg)
(写真はイメージです。このコンテンツとは関係ありません。)
お寺の土地を周辺の人が借りて、家を建てて今でも住んでいる例が一番多いです。
簡易調査でわかったことは、 50年以上前に土地の賃貸借契約をしていること。
賃貸人はすでに亡くなっています。
賃借人は、今はどうしているのか?わかりません。(接触が10年以上ないそうです。)
水道配管の問題やら、ある程度調査をするといろいろなことがわかってきます。
そのまま、所有者の方のイメージで周囲の相場観で売却をしてしまうと後から大変なことに
なりかねません。(最悪の場合、損害賠償問題になりかねません。)
所有者の方は知っていたのか?(そんなことは思っていません)
所有者の方は弊社で知らずに、勝手に建物を解体して、売却してくれれば良いだけのこと。 ?
そんなことは考えて、弊社にお問合せをいただいたのか?などと
微塵も疑ってはいませんが、・・・・
(人柄の良い良い方です。)
まず、現状としては
・建物の登記が残っている(借地権が存在する)
この問題を解決するのに、建物の所有者とお話、場合によっては交渉しなければ、なりません。
![](https://estate.sesh.jp/shop/3154/0/img/syakutiken.png)
50年前の土地賃貸借契約です。賃借人の方が生存しているのか?
もし、死亡している場合には相続人は何人いて、どこでどうしているのか?
建物の先行きについてどう考えているのか?
地代は支払いがないようだが、土地所有者のお考えに同意いただけるのか?
その場合、建物買取請求権や借地権の主張をされるのか?
もし、相続人が1人もいなかった場合、裁判所の力を借りなければいけないのか?
・・・・・・非常に厄介です。
水道配管の問題は後にして、これを解決しないと、一般的には周辺の相場と同じ価格では売却は困難であること。
をご説明し、解決を希望されれば、可能な限りお力になれることをお約束しました。
弊社で、上記のような案件があるということは、宇都宮市内でも規模が大きな仲介業者さんにもかなりの数の
同様な案件が浮上しているのかもしれません。
同様の問題を相続人さんに残されるのは、大変に厄介なことです。
特に、相続を予定される方が高齢の奥様(配偶者)の場合には、見ておられない問題です。
(現場にいる立場から言えます。)
また、古家付きの建物がある土地を相続で予定されそうな方は、事前にご確認することをお勧めします。
貸主(被相続人)の方がご健在の内に解決された方が簡単な場合も多々あります。
余計な一言になるかもしれませんが、この辺で・・・・
byエステート丙(ひのえ)since 2014
![](https://estate.sesh.jp/shop/3154/0/img/by_hinoe_001.jpg)