遺産分割と遺留分
ここでは、簡単に遺産分割と遺留分の概要をまとめてあります。 本コンテンツに戻る親族間で話し合いをもたれるときに最低限に知っていたら、あとで
揉めなくてすんだ、もっと納得のいく話合いがもてたとか。
きっとお役にたてると思います。活用してください。
遺産分割
①相続開始により、相続財産は共同相続人の全員の共有財産となり、遺産分割によって各相続人に帰属する。
②被相続人が遺言で相続分をしていた場合であっても、相続人は、
各相続財人間の協議によって、これと異なる遺産分割をすることができる。
③遺産分割の効果は相続開始時にさかのぼる。
分割された相続財産は、遺産分割の時点から各相続人の個別財産になるのではなく、
相続の時点で被相続人から直接各相続人に承継されたものとして扱われる。
④相続人は、分割を禁止する特別の定めがない限り、いつでも自由に遺産分割を
請求できる。
⑤遺産分割は、被相続人の遺言、共同相続人の協議、家庭裁判所の審判によって
これを一定期間禁止できる。被相続人は、遺言で、相続人の全員あるいは一部
の者に対して、遺産の全部あるいは一部の分割を禁止できる。
⑥一部の相続人を除外してなされた遺産分割協議は無効である。
⑦遺産分割前の譲渡も、譲渡契約としては有効に成立する。
⑧被相続人が特定の財産を指示して特手の相続人に相続させる遺言をした場合、
指示された相続財産を特定の相続人が取得するためには、遺産分割の手続き
を経る必要はない。
⑨遺産分割は現物分割が原則である。これは家庭裁判所による審判分割の場合も
同様である。
⑩遺産分割後に認知された者については、現物による返還請求は認められず、
価格の返還請求の方法のみが認められている。
その他、分割で共有となっている場合の注意点
・遺産分割協議書に定められた持分で共有持ち分になっている場合、持分を変更
すると、持分の贈与があったとみられ、贈与税がかかる。
・税務署に提出した遺産分割協議書でその遺産分割協議書で定められた持分割合と
異なる割合で登記をすると、贈与税の課税対象となる。
昔、相続して、名義変更していない土地・建物の譲渡
・6年前に相続があって、登記簿の名義変更をしていなかった場合 (被相続人の名義のまま)
売買をする時点で、登記名義を相続人に変更したいが、この段階で相続税がかかるのか?
被相続人が死亡してから5年10ヵ月で相続税は時効になっているので、今回、名義を変更
しても相続税は課せられない。(申告をしていると課せられる場合がある。)
遺産分割がされていない土地・建物の譲渡
遺産分割がされていない場合、売買の直前に、遺産分割協議をし、
土地・建物の誰が相続するのか? または、その土地・建物の共有者は
だれとだれで、持分はどれだけかということを決め、それに応じた
売買代金を受け取り、各人で分ければよい。
この場合の分割の割合は、税務上、法定相続分にこだわることはない。
相続人間で納得できる割合で決めればよい。
遺留分(減殺請求権) 本コンテンツに戻る
①遺留分とは、被相続人が贈与や遺贈で処分した財産に生活を依存していた者に
被相続人が処分した財産の一定割合について、取戻し(減殺請求)を認める
制度でです。その目的は、残された家族の生活保障にある。
②遺留分権利者は、兄弟姉妹を除く法定相続人である。
すなわち、配偶者、子、直系尊属が遺留分権利者として認められている。
③遺留分率は次のとおりです。
遺留分権利者全体の遺留分率を総体的遺留分率という。
*全員が遺留分減殺請求権(相続財産権の取戻権)を行使した場合における取戻し
可能な最高限度額のこと。
・直系尊属のみ 1/3
・それ以外 1/2
個々の遺留分権利者が取り戻せる額は、総体的遺留分率に法定相続分を乗じて算定
される。これを個別的遺留分率という。
たとえば、遺留分権利者が父と母のみの場合は、両者の個別的遺留分は
各々 1/3 × 1/2 = 1/6 となり、
配偶者と子が1人だけという場合は
1/2 × 1/2 = 1/4 となる。
④遺留分は、遺留分権利者が相続できたはずの財産の一定割合について、取戻し(減殺)
を認める制度であるから、遺留分額の算定に当たっては、「相続できたはずの財産」
が算定の基礎となる。そのため、遺留分算定の基礎となる財産には、積極財産や
贈与額のみならず負債も加えられる。
⑤遺留分算定の基礎となる財産には贈与も加えられる。
まず、相続開始前の1年間になされた贈与は無条件に全額が加算される。
これに対し、1年以前になされた贈与は、当事者双方が遺留分権利者に損害を
加えることを知って贈与したものであるときを除き、加算されない。ただし、
特別受益者に当たる贈与は、相続分の前渡しとみられるので、すべて加算される。
⑥遺留分は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、相続開始前に放棄できる。
⑦遺留分は、個々の遺留分権利者に認められた範囲において、相続財産の一定割合
を取戻すことのできる権利であるから、遺留分権利者の一人がこれを行使しない
場合でも、他の遺留分権利者の遺留分は増加しなし。
⑧相続欠格事由に該当し、相続人資格を奪われた者には、遺留分も認められない。
⑨遺贈が2つ以上あるときは、遺言に別段の意思表示がない限り、それぞれの遺贈
は遺贈の目的の価格の割合に応じて減殺される。
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byエステート丙(ひのえ)since 2014