宇都宮市・戸祭 のコンサル案件(囲繞地‐袋地)
弊社では、仲介だけでなく、不動産のコンサル案件等も行っております。
最近、取り組んでいる作業をちょっとだけ、ご紹介させていただきます。
話の発端は、弊社で以前から土地探し(住宅地)の依頼を受けていたお客様からの要望で、 売主さんをお伺いしたわけなのですが、タイミングよく、売却を希望されているということでした。 最近、相続した古家がある物件でした。
買主さんに返事を返しますと、予算的にまとまれば、妥協ができる(文句はいいません。)とのことで、 さっそく、売主さんと打合せをしている段階で、物件の調査を開始しました。
結論からいいますと、やはり、物件の価格(査定)を決める前にある程度 調査をしないと 売主さん・買主さんも取返しがつかないことになるという参照事例になるかもしれません。
事例の内容としては、下記です。

購入希望の買主さんから交渉を依頼された土地(古家有り)が対象地Aです。 一見すると通常の旗竿地(旗のような形なのでそう呼ばれています。)
調査する前は、上図の青い部分(旗の棒の部分)が当然に対象地の所有者と一体となっているように思われます。 ところが、残念ながら登記簿上は甲地の所有者の名義でした。
現況では建物が建っています。
住宅地をお探しの方は、皆さんご存知でしょうが、 敷地が建築基準法上の道路に2m以上接道していないと建築が不可能です。
対象地Aの所有者の方へのヒアリングでは、 青い部分(棒の部分)の権利関係がよくわからない状態です。 以前に、「ご主人が健在の時に持分があり、その持分の代金を支払っている、領収書もあるはずだ。」とのことでした。
しかし、登記簿上は持分が反映されていません。 領収書も見当たりません。 当時の対象地の売買契約書が個人間売買のようで、 道路(接道)に関しては記載なし。
同時に甲地の所有者の方へのヒアリングでは、
現況として、甲地上にある住宅は、対象地A上にある建物よりも後に建てています。 その後、南側にある乙地を他者より購入していて、甲地と乙地、両方の所有者になっています。 甲乙の所有者も相続があり、親の代から所有を引き継いでいる状況です。
結局、ヒアリングの結果はどちらの所有者も相続があり、代が変わっています。 登記簿上の反映の件も金銭のやり取りがあったことも記憶も証拠もありません。
金銭のやり取りも売買代金としての支払いなのか? あるいは、固定資産税の負担金として? あるいは、貸地や敷地利用料?なのか、判明しません。
青い部分(棒状の部分)が以前から甲地の敷地なのであれば、どうして下水管が通っているのか? 対象地Aに建築確認がおりているのか?
数十年を経過した不動産の相続でよく起こる問題です。
過去にも こんな事例もありました。
相続した空家、立地は良いけど、買手がいなかった(借地権滅失の事例)
今回の場合、別な問題も重なりました。
- 水道管(黄線)が隣接所有者Cさんの敷地を通って対象地Aに接続
- 仮に接道(棒状の部分)の持分を回復しても、幅2mしかないので乙地の了解が必要
(道路の幅員2m)
いづれにしても、今回の場合には、立地が良い、悪い、価格の高い、安いは別にして 買主さん(住宅が目的)に残念なのですが、お勧めするわけにはいきません。
そんなわけで、交渉を打ち切りとしたいところだったのですが、 対象地Aの所有者(おばあちゃん)、相続人の方の要望で、 その後の土地の方向性(売却希望の為)を模索している状況です。
完全なコンサル案件となってしまいました。
現況では、近隣の方々の状況は、下記、写真のような状況です。(対象地の反対側)
というわけで、買主さんには、大変申しわけありませんが、 目的にあった別の土地を継続探していきます。
対象地Aの所有者様、関係者様には、上記の問題を解決に向かわせていただきます。 (少々、お時間ください。)
対象地Aの所有者の方には、最良の解決策を模索しております。
以上、本日はブログ投稿の時間的余裕がありました。 たいへん長くなりましたが弊社の仕事現場での一部をご紹介させていただきました。
囲繞地・袋地・接道の問題でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
by エステート丙(ひのえ) since 2014
