相続した不動産、どうする? 連載企画全11話 【第4話】
【不動産が売れない!?】共有名義の罠|相続後によくある“売却できない”問題とは
【後から出てくる共有名義トラブル】
「兄弟で仲良く相続したつもりが…」
気がつけば、売るにも貸すにもどうにもならない。
そんな「共有名義」の不動産が、今、全国で増え続けています。
今回は、不動産の相続後に起こる**「共有名義トラブル」**の実態と、
どう対策すればいいのか?をわかりやすく解説します。
◆ そもそも「共有名義」とは?
不動産を相続する際、よくあるのが兄弟姉妹で「平等に分ける」つもりで、
1つの家や土地を**共有名義(2人以上で登記)**にするケースです。
一見すると平等に見えますが、これが後々の大きな落とし穴に…。
◆ 共有名義だとできないこと
不動産は、共有者“全員の同意”がなければ、基本的に次のことができません。
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売却
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貸出(賃貸)
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リフォーム
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担保設定
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建て替え など
たとえば、兄弟のうち1人が「売りたい」、もう1人が「思い出の家だから残したい」と思えば、
売却は一切進みません。
◆ よくある共有トラブルの例
宇都宮市内にある古い実家を3人兄弟で相続し、3分の1ずつ共有名義に。
長男が遠方に住んでおり、管理もできず売却を希望。
しかし、次男は「子どもがいずれ住むかもしれない」と反対。
長女は「思い出の家だから壊したくない」と中立的。
結果、話し合いがまとまらず10年以上放置され、草が伸びてご近所トラブルにも…。
このようなケースは全国に無数にあります。
◆ 分けたつもりが「誰も動けない」状態に
「仲が良いから大丈夫」
「口約束で決まっている」
「将来考えれば良い」
この3つの“油断”が、あとあと大きなトラブルに発展します。
◆ 解決方法はあるの?
解決には主に以下の方法があります。
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他の共有者の持分を買い取る(単独名義に)
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売却して現金で分配する
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専門家を交えて家族間調整を進める
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家族信託などの制度を使って一元管理する
しかし、感情がこじれると調整が非常に難しくなるため、
「元気なうち・仲が良いうち」に話をまとめることが何より大切です。
◆ 当社でできるサポート
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現地調査と所有者調査
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相続登記・共有名義状況の確認
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家族間での売却希望調整
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士業との連携による名義整理・遺産分割協議サポート
「今は困っていない」時期こそ、事前準備のベストタイミングです。
【まとめ】
相続後に共有名義にしてしまった不動産は、
時間が経てば経つほど「処分できない資産」になってしまいます。
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一人では動けない
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売れない、貸せない、活用できない
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相続人がさらに増えて、話し合いもできない
そうなる前に、今のうちに「売れる状態」に整えておくことで、
将来の選択肢をしっかり守ることができます。
📩 共有名義でお悩みの方、現地調査・名義確認を無料で行っています。
お気軽にご相談ください。
🛑【次回予告】
次回は、「空き家が放置されるとどうなる?|相続放棄と管理不全のリスク」についてお届けします。